IT業界にとって、新たな市場として注目を集めるのがメタバースだ。総務省の試算によると、今後20年以内にメタバース市場は70兆円を超える市場規模へ発展することが予想されている。国をあげてメタバース市場拡大を後押しする流れへと変化している。こうした流れに合わせて、メタバース関連のエンジニアの求人が急増しているのも注目できる傾向だ。
メタバースとは、3次元で構成される仮想空間のことだ。メタバースを利用する人は設定したアバターを通して仮想空間内で交流したり、商品やサービスを購入したりできる。新型コロナウィルスのパンデミック以降、メタバースを利用したさまざまなサービスが登場するようになり、人々の生活により身近になってきたのが実情だ。
メタバースには大きな可能性がある。たとえば、バーチャル空間でのスポーツの試合観戦やライブ中継の鑑賞などだ。わざわざ現場に行かなくても、仮想空間で現場さながらの臨場感が味わえる特徴がある。企業側はメタバースを利用して自社商品を公開し、バーチャル見本市などと銘打ってさまざまなイベントを企画するまでに発展した。
こうした市場の動きに合わせてメタバース関連の仕事が急増しており、今後さらに求人数が増加することが確実視されている。具体的には、バーチャル空間を構築するVRエンジニアや、メタバースを運営するためのサーバー開発に携わるサーバー開発エンジニアなどの求人が多い。しかも一般的なエンジニアの報酬と比較して、より高い条件を提示する企業も少なくない。